第74章 ますます図に乗る

その話題が出ると、橘凛の表情から温度が消えた。だが、彼に対して隠し立てはしなかった。

「食中毒なんかじゃない。橘美姫が人を買収して、お祖母ちゃんに毒を盛らせたの」

「なにッ!? 橘美姫が婆ちゃんに毒を盛っただと?」

西園寺翔の顔に浮かんでいた陽気な笑みは瞬く間に消え失せ、代わりに深い衝撃と激しい怒りが湧き上がった。

彼は即座に橘家の養女である橘美姫の顔を思い浮かべたのだろう。表情は陰り、爽やかな好青年の気配は鳴りを潜め、上位者特有の冷徹な覇気が取って代わった。

「橘美姫か……! よくもそんな真似を! 警察には突き出したのか? もし橘宗一郎が庇うようなら、俺がこの手で始末をつけてやる...

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